図解雑学マルクス経済学 松尾匡著 ナツメ社から 物と物との交換関係と人と人との依存関係

もしも、この世界から、人と人との依存関係がなくなったら、どんなことが起きるだろうか。そのことについて、考えてみる。

 例えば、ある島で、料理屋さんと服屋さんと魚屋さんの三人がいたとする。彼らは、自分の職業に特化していて、お互いの不足を補い合っている。例えば、魚屋さんが料理屋さんに魚を提供し、料理屋さんは服屋さんにおいしい料理を提供し、服屋さんは魚谷さんに、丈夫な服を提供するというように。このような関係が、人と人との依存関係だ。

 それがなくなるということはどういうことか。具体的に言うと、魚谷さんは自分のために魚を釣り、料理をし、服を作る。料理屋さんも自分のために魚を作り、料理をし、服を作る。服屋さんも。。。

 

 このとき、三人の生活の質は落ちる。具体的に言うと、魚屋さんは魚はたくさんとれるけど、料理も服を作るのも苦手で困り、料理屋さんは料理はできるけど、魚があんまり取れないし、服屋さんは服は作れるけど。。。ということだ。