純生産と投入労働 図解雑学マルクス経済学から 松尾匡著

 麦しかない世界で。麦を8万個作るのに労働時間は2400万時間必要だ。さらに、麦一万個につき、麦4万個分のタネが作れる。

 2400時間かけて作った麦8万個のうち、少なくとも2万個は次の種まきのときのために置いておかなければならない。なぜなら、同じ生産量生産量を維持するためには二万個の麦が必要だからだ。8万個の麦から、再生産に必要な2万個の麦を差し引いたものを純生産物という。今回のケースではそれは6万個である。

 また、再生産に必要な麦2万個を作るのに600万時間がいる。この600万時間時間を総労働時間である2400万時間から差し引いたものは、純生産のための投入労働である。