純生産と投入労働の関係 図解雑学マルクス経済学 松尾匡著 ナツメ社から

 もしも、世界に食べ物がなくて、人間は物語を食べて生きていくとしたら。この、ファンタジーな場面を設定して、純生産と投入労働の関係について、考えていく。

 物語100万紙分を捨てるにつき、そのショックにインスピレーションを受けて人類は400万紙分の物語を生み出すことができる。このとき、物語制作の総生産量は400万紙だ。それから、この生産量を維持するために必要な資源100万紙分を差し引いた300万紙分が純生産物だ。さらに、その物語を本として編集すると、本1000冊が出来上がる。

 人類が100万紙分の物語を制作するのに必要な労働時間は、2400万時間だ。そして、300万紙分の物語を本1000冊に編纂するのに必要な労働時間は1600万時間だとすると、本1000冊を作るのに必要な総労働量は4000時間だ。